西尾維新『傷物語』のラストについて
2008-05-14
ノトフさんのコメントへのご返信代わりに。
傷物語 (講談社BOX)
(2008/05/08)
西尾 維新
商品詳細を見る
そういえば、まともな感想とか書いていませんでしたしねぇ。
主にラストシーンについて。
僕個人としては、百人死のうが千人死のうが、家族が苦しもうが友達がいなくなろうが、世界経済が崩壊しようが国が一個なくなろうが、それまでの物語が最後の向こう側に至るまで"無駄になっていなければ"、ハッピーエンドだと思っています。
うん、『無駄』が、一番怖いんですよ。個人的に。
だから、桜庭一樹の「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」の読後感が最悪とか言われてるんですけど、僕にとっては十分にハッピーエンドです。死が、無駄になっていないから。逆に、たとえば東野圭吾なんかはバッドエンドが多いなぁ、とか、思ってます。
個人的な趣味のレベルの話で、人にどうこう言う事じゃないっぽいですが。
でも、とりあえず言う。
この記事はそういうお話。
西尾維新『傷物語』のラストのお話。
以下、ネタバレを大いに含んでいますので、未読の方はご注意下さい。
アドレッサンスな『化物語』と、ロマネスクな『傷物語』
2008-05-12
君の一番好きなライトノベルのシリーズは何だと訊かれたら、僕は西尾維新さんの「化物語」「傷物語」シリーズだと答えるでしょう。
ネタバレらしいネタバレは特に無いので(ちょっとした"程度"のものはございます)、安心してご覧になっていただいて、多分大丈夫です。
アドレッサンスな『化物語』と、ロマネスクな『傷物語』 の続きを読む
壁を壊す物語 「とある飛空士への追憶」
2008-04-24
ちょっと前に記した「このブログの今後の方針」と、全然異なってることばっかり書いてる気がしますが、スルー力を全開発揮して。二日続けてラノベの記事を書いていますが、最近出た作品(直近三ヶ月くらい)で、かつよっぽどお気に入りだったりお薦めしたいな〜という作品以外は、個別記事での感想などはまず記しませんので、ご安心下さい。
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)
(2008/02/20)
犬村 小六
商品詳細を見る
ネット上で非常に高評価を得ていたこの作品。
気になったので、買っちゃいました。読んじゃいました。
すごい面白かったです。
なので、感想書いちゃいました。
ひとまず、ネタバレ無しで記すと――
「やられた!」とか「お見事!」というのが第一に出てきた感想でした。
読者を引っ張る力が凄まじいのです。序盤の数十ページを終え、いよいよ旅立ちという時点からは――ついつい先が気になって、あれよあれよとページをめくってしまいます。
序盤数十ページでの情報の示し方がお見事なんです。主人公とヒロインの過去とか、彼らの性格とか、設定や戦況とか、『とある飛空士への追憶』というこのタイトルとか、それら伏線が物語に「どう絡む」のか、決して推測できないわけではないのですが、推測できなくもないのですが…………、これがもう「やられた!」と思ってしまうくらい、なかなかその正体を見せてくれないのです。ああなるだろう、こうなるのかなと思わせつつ、全然核心に触れないで飛行機も物語も飛び続ける。このお見事な"じらしひっぱり"っぷりには完璧にやられました。読み進める手が止まりません。
またそういう作りである以上、なかなか先が読めない、掴めない。やや、奇を大量に衒って突拍子を概念から無くしちゃう、そんな異端な物語ではないのですが、どこに正鵠があるのか分からなくなるくらいに"じらしひっぱり"してくださるので、先が読めず、お話の中心が掴めず、ゆえにとても瑞々しく新鮮に物語を楽しめるのです。
・以下には、瀑布のような怒涛の勢いを持つネタバレが存在しておりますので、未読の方はスルー力を全開発揮して下さい。
孫さんのご報告 人類は衰退しました3巻
2008-04-23
相変らず恐ろしいくらいに楽しいです。
人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫 た 1-3)
(2008/04/19)
田中 ロミオ
商品詳細を見る
文章を読んでいるだけで心躍らされるのです。
人物も、物語も、全部無視して、たとえば途中の200ページ目をいきなり開いて読んでみても、その文章の求心力にかるく引き込まれてしまいます。巧みを通り越して匠な文章。何より語彙の豊かさに驚きです。本書のお話は、必然的に幾度も同じシチュエーションが出てくるお話なのですが、そこにおいて同様の文章を、表現を、まったく行っていないのです。
驚きです。
いえ、異常ですと言いたくなるほどです。
ええと。
この物言いからお分かりになられるかも知れませんが、物語なんかは、ちょっと、どうなのでしょう、悪くはないのですけど、例えば1巻の頃などと比べますと、少しばかり微妙と言わざるを得ないと申し上げましょうか――
この先は津波のようにネタバレが押し寄せてまいりますので、本書をまだお読みでない場合は立ち入られない方がよろしいかとご忠告いたします。
一応ご説明として、本記事の『孫』というのは、初対面の人に「はじめまして、孫娘です」と挨拶してしまうほど自分の名前に対して身持ちが堅い本作品の主人公のことを指します。はい、そうなんです、名前、わからないままなんです。
「少女には向かない職業」 感想
2008-03-11
少女には向かない職業 (創元推理文庫 M さ 5-1)
(2007/12)
桜庭 一樹
商品詳細を見る
久しぶりに本の感想です。
面白い・興味深い文章・展開であるのにも関わらず、ここまでページを捲る手が重くなった作品は、はじめて。
以下全部ネタバレ。







