「Fate」 遠坂凛の指を上に向けての説明について
2007-04-29
http://bdkiss.blog54.fc2.com/blog-entry-313.html↑こっちの記事で途中脱線して生まれた内容です。補足等はあちらに。
「Fate」作中内において、遠坂凛はよく指を天に向けて設定や用語・要素などの説明を行なっていました。主人公、衛宮士郎がよく分かっていない、作中の重要な設定や要素である敵や魔術や聖杯戦争のことを、遠坂凛先生がわかりやす〜く説明する際に、『指を天に向ける』という描写が頻出していました。
さて。何かを誰かに説明する際に、身振り手振りというのは非常に有効です。身振り手振りは説明に対する大きな補足となり、それに説得力や迫力を与えるのです。説明に対して底上げが出来るのです。(もっとも、そうであるからこそ逆に、"ソレ"と認識している人には胡散臭さを与えたりもします。就職面接で大きな身振り手振りが禁断なように)
動きの少ないゲームでも、それは別に無意味ではない。手が動いた、指が動いたという行動が必要なのではなく、身振り手振りをしているという記号が必要なだけなのです。逆説に近いですが、身振り手振りをしているという事実があるからこそ、その説明に説得力や迫力が増す。実際遠坂先生の説明は士郎クンにとっても僕にとってもよくわからない場面があったりしましたが―――ああも自信満々にやられると、分かってなくても『納得』してしまう。
この場合はその自信満々を作り出す記号として、身振り手振りというのが機能したのです。
そしてもう一つ。『注目』です。
先にも書きましたが、人は指が立てられると、まずその指を見て、次にその指が指している方向を見ます。もちろんこの場合、その指が指している方向は途切れている―――画面上には何もない、想像したところで天井がある・空があるくらいかな―――としか認識できません。が、一義的にはそうであっても、多義的には違ってきます。
「Fate/StayNight」の構造上の話。この作品は上からずらっと、文章が流れていきます。かまいたちの夜とか、トゥハートとかONEとかを想起してもらうと分かりやすいです。ノベルゲームのテキスト表示形態は、基本的に、kanonやAIRやCROSS+CHANNELのような下に枠が在りそこにメッセージが表示される系統(ドラクエのメッセージウインドウでもいいです)か、このFateのように画面全体にメッセージがかかる系統かの、どちらかに別れます。
前者はメッセージが画面下に出力され、プレイヤーが注視する場所も画面下がメインになるのですが(変化が多い部分を注視するため)、後者だと画面上からメッセージが流れるため、やや画面上方をメインにプレイヤーは注視するようになります。
つまり、画面上からメッセージが出力されるだけあって、この遠坂凛の説明のように上に指を示す―――つまり『上に注目』とすることは、『メッセージに注目』と言っているのと同じことなのです。
作品の設定や要素を語る重要な場面、とはいえあまり動かせられないノベルゲームでは身振り手振りで説明を補足することも出来ない、このような場面でメッセージに注目させる演出作法を使うことも難しい―――そのような状況から生まれた、素晴らしく奇抜にして効果的な演出法といえるのではないでしょうか。
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※なお「Fate」タイプのテキスト表示型ゲームの場合、テキストはキャラクターの上に被さって表示されるという事から、メッセージテキストは上にある、高次の存在である、という考え方からなんかでるかな〜とか思ったけど、メッセージテキストの存在自体が物語世界内の語り手にあたるのか世界外の語り手にあたるのか、そもそも作品によってその辺変わりすぎだからどうしょもなくね?考えるの大変そうじゃね?とか思ったりでどうしょもなく諦めたです。

