らき☆すた 5話 「名射手」
2007-05-08
【つまりは、らっきーすたー】
はじまりは、ゆいねえさんが銃を手にした瞬間から―――

サボって遊んでいたゆいねえさんを強制連行していく同僚警官の彼は、標的(サボっている同僚)を見つけ、それを捕縛する、まさに名射手といえるでしょう。
え〜と、今週の「らき☆すた」、こんな感じでした(どんな感じだよ)。

みゆきさんが知らないところをズバッと答える、射手つかさ。
しかし、そこから生まれたのは名声ではなく、こなたの「なんかくやしい」という気持ちでした。

つかさの鼻に付いたわたあめを取ってあげる、射手かがみ。
しかし、それで分かったのは、自分たちにロマンスがない、ということでした。

全然寄ってこない金魚たちから、何とか一匹捕まえられた、射手かがみ。
しかし、何とかして一匹ゲットでは、とても『名射手』と呼べる腕前ではありません。

ゆいねえさんと自分が、『独りモン同士』だと思い込んで、シンパシーを送る射手、先生。
しかし、ゆいねえさんは独りモンではなく、そこに生まれたのは何とも言えない愛想笑い。

つかさの、何か知らないけど笑いのツボ的なものを付いちゃった、射手バルサミコスー(語尾↑で)。

「宿題もちゃんとやれっつーの」と、心の中でつかさに向かって言葉を放つ、射手かがみ。
もちろん、心の中なので届きません。いや、少し前に口に出してたりしていたけど、それもやっぱり届いてないような。

ネトゲの世界で毎日リアルの話題を振ってくる、射手先生。
先生の狙いが分からないけど、もしも思惑がなくこういう会話をしているのなら、あまり良い効果は発揮していないといえます。

かがみも扇風機の前で「あ〜〜〜〜」ってやっていたと、暴露する射手柊父。
かがみに生まれたのは恥で、こなたに生まれたのは親近感で、僕に生まれたのは萌えでした。やっべえよ、やっぱかがみん超可愛いよ。さすが柊父だぜ!これは名射手!

アーチャーは名射手。だって、アーチャーだもん―――。

レアアイテムを、ゲットしたこなた。
しかし勿論、それは狙って取った(取れる)ものではなく、偶然。つまり、名射手と呼べるものではない。
ズバッと答えた射手つかさには、名声は手に入らず。
わたあめを取った姉妹は、現実を知っただけ。
金魚をゲットできたことは出来たけど、それは本当何とかしてで。
独りモン同士と思い込んじゃった先生は、そのまま幻想を抱くのみ。
宿題をちゃんとやる日は、未だ全然訪れないし。
ネトゲでリアルの話題を振ってくる先生は、思惑通りか違うのか分からないけど、こなたをブルーな気分にさせる。
レアアイテムは、偶然。
狙って、その狙った何かを手に入れる、それが『名射手』。
狙いとは全然違うモノが手に入るこれらは。また狙いが無かったとしても、因果がまるで繋がらないこれらは。とてもとても、『名射手』とはいえません。
ですが。
つかさの、新しい一面を見られたり。
姉妹の、仲の良さを確認できたり。
唯一無二の、かがみの金魚「ぎょぴちゃん」を手に入れられたり。
独りモン同士と思いこんだまま、幸せに(?)過ごせたり。
宿題は全然ちゃんとやらないけど、でもそれでも、手伝ってあげたり面倒みてあげられる関係でいられたり。
ブルーにはなるけど、先生の小言があるから、本当のネトゲ漬け廃人にはならないで済んでいるのかもしれない。
偶然でもなんでも、『レアアイテム』はゲットできた―――。
つまり。
狙ったものや、予想したものが手に入らなかったとしても。彼女達の行動や言葉は、その結果としてナニカを手に入れられることになる。
それが狙い通りなら正に『名射手』なんでしょうけど―――、でも、狙い通りじゃなくたって、それがとっても『イイモノ』ならば、きっとそれだけで、『名射手』なんじゃないでしょうか。
偶然で手に入れた金魚もレバ剣も。
キャラクターの新しい面やステキな面も。
それがどんなに偶然や運だったとしても。それが『イイモノ』でさえあるならば、それを手に入れられる人は名射手。
つまりは、らっきーすたー。
本編の、冒頭。

かがみやつかさが分からないネトゲの話をして、彼女達をドン引きさせるこなた。
中盤にも、コミケの話で二人を付いていけなくさせたりする場面もありました。
こんな関係、現実ではなかなか難しいです。
他人が知らない知識についての会話を、延々としてくる、しかも何度もしてしまうような人との付き合いは、非常に大変です。分からない話を延々とされても、かがみのように嫌になったり呆れてしまったり、つかさのようにキョトンとしてしまったり苦笑いしたり。分からない話をしてくる人。そんな人とコミュニケーション取るのは大変、疲れる。かがみやつかさ達からすれば、こなたのこの点は嫌な所であったり、治して欲しい所であったりするかもしれません。
でも、それでも、それだけ。
嫌かもしれないし、治して欲しいと思っているかもしれない。でもそれだけで、こなたとの友達をやめる気はさらさらないのです。
たとえこれが偶然でも、運でも。こんないい友達を持てて、こんないい関係を築けた。こんな『イイモノ』を手に入れられたからこそ、名射手、つまりらっきーすたーなのです。
本編の、最後に、ネトゲでレアアイテムを手に入れたこなた。

多分こなたは、このことをかがみやつかさに話すでしょう。
「いや〜昨日、宿題の合間にちょっとネトゲやったらさ、超レアなレバ剣手に入れちゃってさ〜。そしたらみんなで試し斬り行こうって話になって、もう全然宿題出来なくて〜」
とか。多分なんらかの形で、ネトゲの話をすると思う。
でもそれでも、その話をすることによって、友達の関係が危うくなることはない。そんなにヤワじゃない。
本編の最初でコミュニケーションが断絶されて。
本編の最後でその断絶の種が新たに出来たけれども。
幾度断絶がおきようが、何度不理解がおきようが、どれだけ話が噛み合わなくても。
それでも、この関係は、今までと同様に続いていく。
それが偶然でも運でも。そんな素晴らしい関係を手に入れてるからこそ、こなたは『名射手』。
偶然とか幸運とかで、こんな素敵な関係を築けた彼女達は。『らっきーすたー』なんです。
そして。
たとえば僕なんかのような、ネトゲを全くやらない人には付いていけないような話題を散々振ってきて、「視聴者の間でも反応がまっぷたつにわかれるだろうし」と作中内(らっきーちゃんねる内)でも言われていた今回の話。
付いていけなければ、分からなければ、面白くないかもしれない。でも。
たとえネトゲの話が分からなくても、付いていけなくても。
こなたに対するかがみやつかさやみゆきさんのように、それで愛想尽くわけでもなく、それで嫌になるわけでもなく、良い関係を築けたのなら。
作品と僕らの間に、幾度断絶がおきようが、何度不理解がおきようが、どれだけ話が噛み合わなくても。この「らき☆すた」を楽しめて、面白がって、ずっと好きでいられれば。
それが偶然でも運でも狙いでも、そんな『イイモノ』を手に入れられるこの作品はきっと『名射手』。断絶を乗り越えられる、不理解を凌駕できる、話が噛み合わなくても問題がない。そんな関係を視聴者と築けたのならば、それはまさに『らっきーすたー』。
それがたとえ偶然でも幸運でも、その関係はきっと素晴らしいモノ。
だから、この作品は『らき☆すた』なんじゃないでしょうか。
こなたが。とてもとても素晴らしい偶然と幸運、つまり『らっきー』で、素敵な友人を持ったように。
作品が。とてもとても素晴らしい偶然と幸運、そしてなにより作品自体の輝き、つまり『すたー』で、素敵な視聴者・読者を持つ。
こなたと友人の関係も。作品と視聴者の関係も。たぶんどっちも、きっときっと『イイモノ』。
たとえば、こなたの友達には誰も彼もがなれた訳ではないように。この作品と、誰も彼もが良い関係を紡げる訳ではないでしょう。でも、それでも、良い関係を作ることが出来たなら。それはたぶん『らっきーすたー』。作品にとって、だけではなくて、多分それは、僕らにとっても。
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