2007'05.26 (Sat) 00:24

まずはネタバレなしで感想を。
凄くいいです。もの凄くいい。
買ったその日に読み終わった小説なんて多分はじめてなんです。しかも軽く徹夜したし。
本当ね、田中ロミオさんは文章がステキなんです。めっちゃステキ文章。
特に前半部なんかは少し驚きで、氏があとがきで書かれていたとおり、「児童文学っぽいタッチでキレイな作風」だったりします。
そんな訳で序盤は、
語彙の選択が適度に卑怯で、多彩な修辞がさんざめき、表現の倒置は効果的な認識を揺さぶり、冷徹に写実したかと思えば、擬人化した花鳥風月にあらゆる叙情を演じさせ、センテンスの切れ目に浮かぶ静寂が饒舌に伝えるのも束の間、朴訥さをもって畳みかける登場人物の慟哭は気付けば韻文学の余情をたたえ…………それらは読書中の僕らの双眸が必要以上に潤むところで区切りよく軽やかに収斂していくのです。
なんて未来を思い浮かべたのですが、
途中からどんどん文章がドライヴしていかれまして、児童文学もキレイな作風も徐々に徐々に解かれていきましたとさ。
もちろん、この作風というか文章というか、それの変化にも理由があるんですよね。そして動いていった文章にもまた、ステキオーラが宿りまくっているのです。
ネタバレなしだとこんくらいしか書けないです。
とにかくいい。凄くいい。あと何気に笑えます。和みます。癒されます。明日への活力もらえます。いやむしろ奪われます。とにかく素晴らしいです。クロスチャンネラーな貴方も、「僕の本当の名字は高屋敷!」とか思い込んでる貴方も、フェルネラントから未だに帰ってきていない貴方も、是非是非これを読みまくるべきです。もちろん、「田中ロミオってだれー?」なキミも是非読んでみるべきなのです(でも「田中ロミオ」で検索だけはカンベンな!)。読んで一緒に、悶え苦しみましょう!
もうどうしようもなく最高で大好きになっちゃったので、後でネタバレで色々書きます。
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