らき☆すたにあった奇妙な距離感

 2007-06-15
やっとこさヤマカン時代の奇妙な感覚の正体が分かったー。



いやー、さんざん「『らき☆すた』って断絶だよ断絶」みたいにほざいてきたんですけど、ヤマカン時代のそれはこれで合ってるんじゃないかなーとか思えなくもない感じです。ヤマカン時代以外は、別段そんなことないっぽいですけど。


今までは、主に仕掛けとかからそういうことを考えてたんですけど、普通に内容自体にもそういうことが散らされてあって。



で、山本さん脚本の10話の「アニメ店長」のトコなんか、山本断絶節が最高に効いてた部分だと思う。


らきすた

このアニメ店長とその仲間たち(という表現でいいのかな?)が、画面狭しと暴れまくるのですが、こなたはこれをガン無視するんですね。
こんだけ店内で暴れまくってるんだから、せめて一瞥くらいはしても良さそう、というか、何の注意も払わないのはおかしいくらいなのですが、ガン無視。
となると、これはもう「こなたには見えてない」くらいで考える方がしっくりくるのです。
大声で叫ぶ店員も、店内を飛び回る店員も、あまつさえ壁に突き刺さる店員もいる。しかもなんか、最終的に(店が?)爆発してしまう。

なのに一瞥さえくれないこなた。これはもう彼女には見えていない、くらいで考える方が妥当かな〜っと。

でも僕ら視聴者には、このアニメ店長とか見えてる訳です。


これが僕の思う山本断絶節。つまり、視聴者とこなた(ひいてはらき☆すた内登場人物)で、見えているものが違うということです。

同じパロディネタでも、作中内で「チョメチョメD」などと言われていた「頭文字Dパロ」とは大きな違いですね。頭文字Dネタは、僕らにもかがみたちにも見えているもの。対してアニメ店長ネタは、僕らにしか見えてないかもしれないもの。

これは4話までのヤマカン時代に散々言われてた、場面と場面・シーンとシーンを切り貼りしたような展開にも言えることです。場面から場面へ瞬時に移動していて、視聴者はその「場面と場面の間」を知りえることはないけど、登場人物達は当然のことながらそれを知っている。
上とは逆にまた、視聴者には見えてなくて作品内の人物には見えているもの、というのもあるのです。

視聴者と登場人物で見えているものが違うなんてことは、どの作品でも当然ながらあることだけど、大抵のそれは時間的制約とか、情報量的に致し方なしとか、物語上の演出という意味合いであって、(山本)「らき☆すた」とはかなり違います。(山本)らき☆すたの場合、他の作品に比べて非常に自覚的な匂いがするんですね。というか、(山本時代は)全体的にそういう感じだったんだから、確信犯(誤用の方)的に思えて当然なんですが。



山本さんから離れた「らき☆すた」は、(山本脚本の10話は例外として見るとして)かつてのらき☆すたとは違う色合いになっています。

それまでと違い場面・シーンの継ぎ接ぎ感は薄れ、繋がりを持って作られているように、視聴者と作中キャラクターとの「見えているものの違い」を大きく、自覚的に作り出すことがあまりなくなったように見受けられます。


作品が視聴者側に歩み寄るような仕掛けを作っていると思っていました。そして、歩み寄った、すなわち「近づいた」分だけ、「届かない」ということが分かってしまい、こちら側が断絶を感じるのではと思っていました。しかしその仕掛けどうこう以前に、作品の作り自体にそういう傾向が見られたのかもしれない、というお話しでした。見ているものの違い、見ることができるものの違い、すなわち「世界の違い」を自覚的に孕んでいたんじゃないかという。
だからこそ、近づけば近づくほどに届かなくなる。
作中キャラと視聴者との奇妙な距離感が生み出す断絶とその先の出会い。
この断絶だからこそ、帰結点は一話の「チョココロネ」よろしくに、相違の先にある一瞬のシンパシー、断絶の中にかいまみるちょっとした出会い、的なものになるかなとか思ってたんですけど、監督変わったからもう超違うし。結構自明的なんで、山本さんはそういうの考えてたのかなぁ〜とか思いました。これからのらき☆すたには、まあ特に関係しない話っぽいのですが。(そういえば作中劇設定って何処にいったんだろう)


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