2007'07.19 (Thu) 00:08




こなた「なんなんだろうね……この気持ち……」
「なんなんだろうね……この気持ち……」って、そりゃお前かがみに対する恋心だろ、とみんな(?)も思ったと思うんだけど。
【More】
やはりここで特筆すべきは、前の人が邪魔で見れなくてウズウズしているこなたに、かがみ"一人だけ"が気付いてあげられたこと。
ライブなんかに行って、しかもかなり盛り上がって熱中しちゃうと、普通周りなんて目に入りません。しかも曲の最中で、その上人気のある盛り上がる曲で、さらにサビ。
現実の自分自身のことを鑑みても、友達とライブを見に行って、曲が演奏されている最中、隣に居るその友達のことを気にかける、なんてことはまったく無かったりします。しかもそれが、盛り上がる曲だったり人気ある曲だったりすると尚更。盛り上がっている上に、さらに盛り上がりたい。入り込んでる上に、さらに入り込みたいんです。そんな中で周りを気にかけるなんて、それはもうムリムリ。
実際、この15話のライブ中に、ステージの方以外を見ている人間は一人としていませんでした。その辺のモブキャラも、つかさも、一心にステージの方を見つめるのみ。すぐ隣にいる子が、今まさに、「今日のライブ、残念だったなぁ…」という思いを抱こうとしていることに気付くよしもなく。ただただ皆、演者と聴衆の、この一回性の瞬間に入り込んでいく。そしてさらに深く入っていく。だから、そう。前の人が邪魔で、今まさにつまらない思いをしていて、そしてこのライブ自体も、つまらない思いで終えてしまいそうな女の子の存在に、彼ら、彼女らが、気付くはずもない……。
しかし、ここで、このつまらなそうな思いを抱いている子『こなた』に気付く人がいました。それが

『かがみ』。
さっきまで自分もノリノリで楽しんでいたのに!今が一番盛り上がるサビの部分なのに!
ふと隣を見やり、ふとつまらなそうにしているこなたを見やり、そしてふと、席を替わってあげる。
『かがみ』はかなり周りに気の配れる人間でして、この15話でいえば、クラス替えの時の落ち込みを決してこなたやつかさ達に見せない所とかがそうですね。
自分が落ち込んでいる、ということを表明することによって、周りの人に不快な気持ちを抱かせたくないという思い、とでもいいますか。
周りの為に、自分の感情を閉じ込める。かがみって、結構こういうところがあります。
かがみは、こう、自分も含めた場のことを客観的・俯瞰的に見ることが出来るんですね。てゆうか、「周りに気を配る」というのがまんまそのことでもあるのですけども。
客観的・俯瞰的に見れるから、自分の思いを表出すると他人にどういう影響を与えるかということが、解る。
客観的・俯瞰的に見ることが出来る、というよりも、客観的・俯瞰的に見てしまうことが多々ある、という言い方のほうが近いかもしれません。
柊家のクイズ番組を見ている場面なんかでは、このかがみの客観的・俯瞰的視点が良く表れていました。

家族の輪に加わり、番組の内容に参加することはない。でも、家族のことをよく観察している。『場』に存在していながら、その『場』に対して客観的・俯瞰的に見ることがあるのです。
こなたがライブ会場でつまらなそうにしているのを察することが出来るのは、かがみの気配り心―――こんな客観性・俯瞰性を持っているから、でもあるのですが。
でも逆に、普段がこれだからこそ、周りに気を遣わない、客観性・俯瞰性を発揮しない時は、思いっきり自分の世界に入り込んだりするのです。


つかさが心配しちゃうくらい、自分の世界に入り込んで金魚に接している時みたいに。
第一目標以外が思いっきり眼中から消えてしまう時みたいに。
気を配るべき周囲が、彼女の場から消えた時。かがみは自由に、自分の本心の世界に入っていく。
……いや、まあ。気を配るかがみも、ギョピちゃん妄想したりクラスがっかりするかがみも、それを周囲に表明したりしなかったりするかがみも、どっちも彼女の本心なんですが。
しかし、こう、周りに気を遣う―――客観的・俯瞰的に見るからこそ、ダイレクトに自分から寂しさを埋める行動が取りづらいかがみ。だからこそ、ダイレクトに、自分から寂しさを埋めに行動するこなたと非常に馬が合うのでしょう。
相手と自分との立場により言動を変える、というのは当然誰にでもあることでして(むしろ無いとまずい)。例えばかがみなら、(前も書いたけど)彼女の中での他の3人への呼び方―――こなたは「こいつ」、つかさは「この子」、みゆきは「みゆき」―――それに呼応するような言動を取っています。
こういう変化は、勿論こなたにもあるわけで。
たとえば、15話冒頭のつかさとみゆきさんにだけ「心の友」なんかは、クジに外れたのがかがみだからこそ言えるセリフでして、外れてたのがつかさorみゆきさんだったら、間違いなくこんなこと言わないだろうなと思えるのです。
終盤の、「かがみだけずっと違うクラス」発言も同じく。これも、つかさorみゆきさんが違うクラスだったら、間違いなく言えないと思うんです。
これは当たり前過ぎて書くまでも無さ過ぎて恥ずかしいくらいなんですが、つまり、こなたはかがみのことを"分かっている"んですよね。
つかさやみゆきさんだけ「心の友」から仲間はずれしたり、もしもつかさorみゆきさんが違うクラスで、「つかさ(みゆきさん)だけずっと違うクラスだね」とか言ったりすると、彼女たちはどんな反応を示すか。多分、めちゃくちゃショックを受けるでしょうし、多分それを、(ある程度)表明しちゃうでしょう。もしかしたら泣いちゃうかもしれません。
しかしかがみは、そうではありません。先にも書いたとおり。客観的・俯瞰的に場を見るかがみは、たとえ「心の友」から外されても、たとえ「ずっと違うクラスだね」と言われても、それでショックを受けることも、またそれを表明することもありません。
こなたがこんなことを言えるのは、こういう『かがみ』を分かっているからでもあるんですね。
そして勿論、かがみがこういうこと言われてショックを受けないのも、『こなた』のことを分かっているから。
かがみなら真に受けない、かがみなら顔に出して場の空気を悪くすることもないと、こなたが分かっていてこういうこと言っている、とかがみが"分かっている"から。
お互いの、決して表明していない心の内を、お互いに"分かっている"。そしてその、お互いに分かっているんだということを、(前提として)『信頼』している。

決して表明しない心の内―――かがみがたとえ、クラスの件のショックを殆どこなたに見せなくても、それに十分ショックを受けているということが分かっている。だから、最後の方に「ずっとクラス違う」とこなたはからかえても、あのクラス発表を見た直後の、強がっている時のかがみには、そんなことは言えなかった。「またかがみだけ同じクラスだね」と、事実を、というか事実だからこそ事実を、口に出すのがせいぜい。場を鑑みて「何も言わない」かがみの心の内を、こなたは、十分すぎるほど、分かっていたから。
だから、ここでは言えなかった。でも、後では言えた。
かがみならこう受けるだろう、ということを『信頼』しているから。こなたならこういうこと言うだろう、ということを『信頼』しているから。
そう、『信頼』なんです。
お互いの、決して表明していない心の内を、お互いに"分かっている"。そしてその、お互いに分かっているんだということを、『信頼』している。
こなたとかがみの関係―――馴れ合いでもじゃれ合いでもからかい合いでもぬるま湯でも、友情でも愛情でも親愛でも何でもいいけど、というかその全てが含まれてるだろうけど、その『関係』が『良い関係』であるのは、そういった『信頼』―――つまり、こなたのセリフや行動の立脚点と、かがみのそれに対する受け方の帰結点を、お互いに信頼し合っているからこそ、生まれるものなのでしょう。二人の言動と認識の間に、勘違いも思い違いもすれ違いも生じないであろうと、お互いを『信頼』している。
そして勿論その逆―――かがみのセリフや行動の立脚点と、こなたのそれに対する受け方の帰結点を、お互いに信頼し合っている―――場面も、当然あります。たとえば、かがみが何か変な笑顔見せてた場面みたいに

『信頼』は。片一方だけがする信頼する、一方通行な『信頼』も存在してるけど。
でも『関係』は。片一方だけでは成り立ちません。誰かと誰か、二人以上いて、はじめて『関係』が生まれる。
その、片一方だけでは成立しえない関係。それが『良い関係』といえるものならば。きっとそこにある信頼は、片一方でも一方通行でもない、お互いがお互いを信頼している、とても『繋がっている』ものなのではないでしょうか。
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■追記:こなたの「何なんだろうね…この気持ち……」に関しては、丈・獅子丸さんの感想(http://joeshishimaru.jugem.jp/?eid=659)が完璧に合ってると思うので、つうか感動したので、是非是非、読んでみるべきだと思います。
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こんにちは。
>客観的・俯瞰的に見るからこそ、ダイレクトに
>自分から寂しさを埋める行動が取りづらいかがみ。
>だからこそ、ダイレクトに、自分から寂しさを
>埋めに行動するこなたと非常に馬が合うのでしょう。
ものすごく納得しました。
キャラ解説でよく「唯一の常識人でつっこみ役」とされるかがみ。
そんな“気配り役”と我が道を行く派のこなたの組み合わせは
一見対立しそうですが、そうならない。
それは、かがみに関するもう一つの設定である
「とても寂しがり屋」という、隠された欲求が
あるからなのでしょうね。
でもそれを、独特の“気配り”の為に、ストレートに
表に出せない。
先日まで「3人姉妹の末っ子」として、甘える事の
できる立場として幼い日々を送っていたのが
つかさという妹が出来た時から、そんな「姉としての自意識」(本人も言ってましたね)
が芽生えた為に、そうなったんじゃないだろうかとも
思います。
大勢の兄弟姉妹の真ん中で、上と下に挟まれた立場に
いるっていう人は、そんな複雑な性格になる
という話も聞きます。
そんな複雑なかがみにとって、父の手一人で育てられた一人っ子で欲求や感情を否応無くストレートに
表してくるこなたは、あきれつつも「ちょっと眩しい」
存在なのかもしれません。
逆に、きわめてシンプルな環境と指向性の元で育ったこなたは、
そんな自分の暴走を反発と受容という多層的な形で
クッションのように受け止めてくれるかがみという存在が、
とても心地良いのでしょう。
ハルヒの非日常性に対して、心の底にある、
既に諦めていた“憧れ”の気持ちを刺激されるキョン
という関係にも似ている気がします。
「お互いが分かり合っている」関係と言うのは
まるで“既に付き合いの長い夫婦”みたいな感じもしますw
(そういえばハルキョンもたまにそんな風に言われてますね)
>客観的・俯瞰的に見るからこそ、ダイレクトに
>自分から寂しさを埋める行動が取りづらいかがみ。
>だからこそ、ダイレクトに、自分から寂しさを
>埋めに行動するこなたと非常に馬が合うのでしょう。
ものすごく納得しました。
キャラ解説でよく「唯一の常識人でつっこみ役」とされるかがみ。
そんな“気配り役”と我が道を行く派のこなたの組み合わせは
一見対立しそうですが、そうならない。
それは、かがみに関するもう一つの設定である
「とても寂しがり屋」という、隠された欲求が
あるからなのでしょうね。
でもそれを、独特の“気配り”の為に、ストレートに
表に出せない。
先日まで「3人姉妹の末っ子」として、甘える事の
できる立場として幼い日々を送っていたのが
つかさという妹が出来た時から、そんな「姉としての自意識」(本人も言ってましたね)
が芽生えた為に、そうなったんじゃないだろうかとも
思います。
大勢の兄弟姉妹の真ん中で、上と下に挟まれた立場に
いるっていう人は、そんな複雑な性格になる
という話も聞きます。
そんな複雑なかがみにとって、父の手一人で育てられた一人っ子で欲求や感情を否応無くストレートに
表してくるこなたは、あきれつつも「ちょっと眩しい」
存在なのかもしれません。
逆に、きわめてシンプルな環境と指向性の元で育ったこなたは、
そんな自分の暴走を反発と受容という多層的な形で
クッションのように受け止めてくれるかがみという存在が、
とても心地良いのでしょう。
ハルヒの非日常性に対して、心の底にある、
既に諦めていた“憧れ”の気持ちを刺激されるキョン
という関係にも似ている気がします。
「お互いが分かり合っている」関係と言うのは
まるで“既に付き合いの長い夫婦”みたいな感じもしますw
(そういえばハルキョンもたまにそんな風に言われてますね)
ひふみぃ | 2007年07月22日(日) 15:18 | URL | コメント編集
>ひふみぃさん
どうもこんばんは。コメントありがとうござます。
こなかがが付き合いの長い夫婦みたいな感じですと?いやいやそれは既成事j
こなたとかがみについては……なぜこうなったか、という点に関しては、どうしたって憶測の域を出ないのですが、それでも、今どうなってるか、というのは分かるわけですから、そこから、彼女たちの相性の良さ、いい関係を築けるに至る性格、というのは想像することはできますね(そしてその想像から、なぜこうなったを仮定するわけですので、どうしたって憶測の域を出ないのですが)。
なんてこと言いながら、ひふみぃさんのご意見には大よそ同意でして。微妙な羨望感や微妙な依存感。その『微妙さ』がまた、彼女たちの「ゆるい」良い空間を作り上げているんじゃないかな、とも思います。
どうもこんばんは。コメントありがとうござます。
こなかがが付き合いの長い夫婦みたいな感じですと?いやいやそれは既成事j
こなたとかがみについては……なぜこうなったか、という点に関しては、どうしたって憶測の域を出ないのですが、それでも、今どうなってるか、というのは分かるわけですから、そこから、彼女たちの相性の良さ、いい関係を築けるに至る性格、というのは想像することはできますね(そしてその想像から、なぜこうなったを仮定するわけですので、どうしたって憶測の域を出ないのですが)。
なんてこと言いながら、ひふみぃさんのご意見には大よそ同意でして。微妙な羨望感や微妙な依存感。その『微妙さ』がまた、彼女たちの「ゆるい」良い空間を作り上げているんじゃないかな、とも思います。
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