2007'08.03 (Fri) 04:07
当然ですけど来々谷さんシナリオのネタバレありです。ご注意下さい。
誰かとわかちあうものなんだな。
…自分ひとりでは自分すら見えない。
さて、来々谷さんは、自分には感情が無い、と仰っております。
正確には、感情が無いと、感情が分からない、の狭間。
まったく感情がゼロなわけではありません。
趣味で行う放送や、可愛いものは好きだよ私はや、数学教師に対する憤りや、おねーさんのジャスティスなどなど。彼女は自身の感情を大いに示しています。
けれど。
上履きの件や、理樹のアプローチに全然気付かない件など。感情が無い、というか、その手の感情に気付いていない(もしくは無い・無いに等しいくらい薄い)という面も持ち合わせています。
喜怒哀楽。その他もろもろ。
その全てを解り、自覚しているというわけではない、ということです。
「少年の心はまったくもって度し難い(解し難い)」
と自分で述べているように。
感情の全てを知っていなかったからこそ、他人のことが分からなかったのです。……そして自分のことも。
彼女に感情がなかったのか、あるいはそれは自分では気付かないくらいに小さな感情だっただけなのか―――その真は分かりませんが、しかし、彼女は理樹とリトルバスターズとの面々と過ごすことによって、明らかに自分で『それ』と自覚するだけの感情を持てた、ということは確かです。
『リトルバスターズ』という集団に。深い愛着を示すように。
理樹と恋人として過ごす未来を。何が楽しくて、何がつまらないことなのか……人を知ることを、自分を知ることを、願ってしまったように。
夢は、いつか覚める。
全ては、無かったことになる。
でも、本当はそうじゃなくて。
夢は幻で、夢は現実じゃなくて、そこで得るものなんて、何一つ現実には持っていけないと思っていたけれど。
そこで過ごした日々は。そこで抱いた思いは。そこに『居た』という事実は。
夢の先の日々にも、夢の先の自分にも、確実に、影響を及ぼすのです。
「夢は覚めればなくなるんだ」
「キミが恋したことも。キミが私に抱いてる感情も、全部」
夢から覚めた後。
理樹に、思いがまだ残っているのか。それは分かりません。まったく描写がなされていません。
けれど、来々谷さんがどうなのかは、分かる。
彼女が、理樹に恋した事実は無くなった。
彼女が、理樹に抱いた感情も無くなった。
そもそも、直枝理樹というのが誰なのかすらも、彼女には分からなくなった。
夢から覚めて、全ては消え失せてしまった。
それでも。
理樹からのメールに、いや、理樹からのメールとは明言されていないから、別人なのかもしれないけど……たとえ別人であったとしても。
他人からの一方的なメッセージ、メールに。
「きっとそこにいくから、まってて」
というメールに。
『…早く、こないかな』
こんな感情を、抱けてしまう。
感情を持たず。感情を知らず。楽しいもつまらないも分からなくて。恋も好きになることも、悲しいということも辛いということも分からなかった彼女が。
こんな感情を抱けてしまう。
自分の気持ちなんか少しも分からず、だから他人の気持ちなんかひとつも分からなかった彼女が。
時間を理樹と分かち合い、想いを理樹と分かち合い、日々を理樹と分かち合ってきた果てに。自分自身を見つける。自分の感情に気付ける。
夢はまったくもって嘘みたいに流れ去ってしまう幻なのだけれど。
その中で抱いた思いは、その中で過ごしてきた日々は、嘘でも幻でもなくて、夢の先でも夢の向こう側でも、永遠生き続けるのです。このように。
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誰かとわかちあうものなんだな。
…自分ひとりでは自分すら見えない。
さて、来々谷さんは、自分には感情が無い、と仰っております。
正確には、感情が無いと、感情が分からない、の狭間。
まったく感情がゼロなわけではありません。
趣味で行う放送や、可愛いものは好きだよ私はや、数学教師に対する憤りや、おねーさんのジャスティスなどなど。彼女は自身の感情を大いに示しています。
けれど。
上履きの件や、理樹のアプローチに全然気付かない件など。感情が無い、というか、その手の感情に気付いていない(もしくは無い・無いに等しいくらい薄い)という面も持ち合わせています。
喜怒哀楽。その他もろもろ。
その全てを解り、自覚しているというわけではない、ということです。
「少年の心はまったくもって度し難い(解し難い)」
と自分で述べているように。
感情の全てを知っていなかったからこそ、他人のことが分からなかったのです。……そして自分のことも。
彼女に感情がなかったのか、あるいはそれは自分では気付かないくらいに小さな感情だっただけなのか―――その真は分かりませんが、しかし、彼女は理樹とリトルバスターズとの面々と過ごすことによって、明らかに自分で『それ』と自覚するだけの感情を持てた、ということは確かです。
『リトルバスターズ』という集団に。深い愛着を示すように。
理樹と恋人として過ごす未来を。何が楽しくて、何がつまらないことなのか……人を知ることを、自分を知ることを、願ってしまったように。
夢は、いつか覚める。
全ては、無かったことになる。
でも、本当はそうじゃなくて。
夢は幻で、夢は現実じゃなくて、そこで得るものなんて、何一つ現実には持っていけないと思っていたけれど。
そこで過ごした日々は。そこで抱いた思いは。そこに『居た』という事実は。
夢の先の日々にも、夢の先の自分にも、確実に、影響を及ぼすのです。
「夢は覚めればなくなるんだ」
「キミが恋したことも。キミが私に抱いてる感情も、全部」
夢から覚めた後。
理樹に、思いがまだ残っているのか。それは分かりません。まったく描写がなされていません。
けれど、来々谷さんがどうなのかは、分かる。
彼女が、理樹に恋した事実は無くなった。
彼女が、理樹に抱いた感情も無くなった。
そもそも、直枝理樹というのが誰なのかすらも、彼女には分からなくなった。
夢から覚めて、全ては消え失せてしまった。
それでも。
理樹からのメールに、いや、理樹からのメールとは明言されていないから、別人なのかもしれないけど……たとえ別人であったとしても。
他人からの一方的なメッセージ、メールに。
「きっとそこにいくから、まってて」
というメールに。
『…早く、こないかな』
こんな感情を、抱けてしまう。
感情を持たず。感情を知らず。楽しいもつまらないも分からなくて。恋も好きになることも、悲しいということも辛いということも分からなかった彼女が。
こんな感情を抱けてしまう。
自分の気持ちなんか少しも分からず、だから他人の気持ちなんかひとつも分からなかった彼女が。
時間を理樹と分かち合い、想いを理樹と分かち合い、日々を理樹と分かち合ってきた果てに。自分自身を見つける。自分の感情に気付ける。
夢はまったくもって嘘みたいに流れ去ってしまう幻なのだけれど。
その中で抱いた思いは、その中で過ごしてきた日々は、嘘でも幻でもなくて、夢の先でも夢の向こう側でも、永遠生き続けるのです。このように。
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ちょっと、軽い衝撃をうけました。以降ネタバレありです!なお、次のキャラはとってある「クド」の予定。
2007/08/09(木) 23:23:49 | ルーツ オブ ザ まったり!
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