2007'10.28 (Sun) 05:08
取り敢えずメモ。のつもりが、長さだけなら普段のレビュー並みになってしまった…。文章の量も、かけた時間も。あとで纏める予定ですが、どうだろ、時間あるかな…。
※以下には、京都アニメーションの「CLANNAD」4話までの内容が含まれています。
アニメのネタバレになりますので、閲覧の際にはご注意下さい。
00:02 斜め下からのアングル。今回、こういうのが結構多い。
00:09 廊下にぽつん、の渚。
00:40 手の動きで、朋也の焦燥~決断を表す。机を叩く指に現状認識とこれからどうするかの思索、机を叩く手にその決断の表れ。「あーもう、俺がなんとかしなきゃ!」的な感じです。朋也の演劇部に対する関与は、こういう面が大きいように思える。「こんなことで、お前の夢を捨てるな」。渚に欠けてる力というか……(坂の途中で止まる足もそうだけど)逆境に簡単に"立ち止まってしまう"渚を、朋也が行くぞと引っ張っていってくれる。
朋也が渚の演劇部に力を貸すのには、先の台詞からも、自身のバスケへの想い、諦めなきゃいけなかった・夢を捨てざるをえなかったこと(朋也に夢があったのかはさておき、状況的には)が関係している、のかも。思いを託すというか、自身を投射というか。ただ、これまでの描写的には、そこまではいえない感じですが。むしろそれは二義的・三義的なことで、もっと他に何かがあるというか……。
00:54 壁の横からほくそ笑む春原。ふ~ん、なにやら面白そうなことやってるじゃん、的な興味。Aパートラストと同じ。

OP : 上に上がっていくカメラの動き(ティルト)は、特に『空』を示す場合、その印象――ここからの脱却、閉塞や状況の打破、自身もしくはここからの成長・旅立ち、『空』という届かないものへの憧憬、また届かない故の儚さ――などを示しているというか想起させられるのですが。
幻想世界、雪の中で朽ちるかのように横たわる人形「ぼく」。そこからカメラは空――当然、雪が降っているのだからどんよりとした黒雲で遮られているであろう――にティルトする。それは天や太陽に届くことなく、中途半端な場所で一端途切れ、その後の密林で謎の生物を発見!的な描写の後で、丁度途切れたあたりの高度から、今度は青空となってティルト再開。
しかもその部分、おあつらえ向きなことに曲の歌詞が「このまま飛び立てばどこにだって行ける」。
雪の中、動かぬ体から見上げた空は、森の中の少女を経て、もしくはその幻視を経て、現実世界の青空の下、花畑を走り回るひとりの少女の元に。
「CLANNAD」のタイトル表記が、ゲームOPにおいては青空ティルト(三行ほど前に書いた部分)―――直前の走り回るふたつの光と「このまま飛び立てば…」の歌詞を照らし合わせて、その「飛び立つ」ということ(それが出来るということ)を印象付ける、また飛び立つ先にあるものを象徴する地点―――にあったのに、アニメOPにおいては花畑で走り回る子の影を写した大地にて、タイトル表記がなされる。アニメ版ではこの場所(というか状況)は、飛び立った先の場所であり、かつ飛び立ったから来れた場所である、という理解がなされているのではと推測される。
てゆうかあの森の少女は何なんでしょう。どういった理解が良いの(正しいの)でしょう?原作やったのにさっぱり分からない僕はプチ最悪です。
03:16 「でなきゃ、俺が演劇部なんかに関わるわけないだろ」。 朋也の演劇部・渚との関係に対する表明上の対外距離。
03:50 春原、智代に「おっぱい貸して」。

04:05 こう、蹴りの絵が適当になっているのは、パターンだからというのもそもそもなんですが……。演劇的というか脚本的というか、単純に「お約束」をそのまま表に出してしまったような…。
04:15 風子「あ、変な人いました」。「変な人だ」でも「変な人です」でもなく、「変な人いました」という言葉からは、今まで朋也を探していた、ということが推測されますね。
その後の「変な人待ってください」も、春原の存在に全然気が付かないことも含めて。こう思ってることとか、自分の中にだけある呼び名なんかを、簡単に(一縷の思慮も無しに)外に出せてしまうのが、風子の性格なんでしょうね。結婚式祝って欲しいとか、その方法とか、今やってること(彫刻)とか、含めて。自分の思っていることに、一縷の思慮も無く――それこそ正しいか、効率的かなども考慮せず――それを外に出せる、そしてそれを貫ける……というか、気が付かないくらいに、貫けてしまう。そんな無鉄砲さというか、純粋さというか……まざりっけの無さというか、すれてなさが、風子の魅力ではあるかなと思います。そしてそれ故に、見てらんなかったり手助けしたりしたくなり過ぎて、風子と近しい関係の人はメッチャ疲れるのですが。
04:43 風子主観。たしかにお子ちゃまです。
05:15 ダブルで着いて来る変な人。

05:17 信じられないことに(?)春原主観。春原視点で、風子に変な人と指差される快感といったら。 敢えて春原にしているのは、また04:43の場面で敢えて春原から風子へのアクションの部分で風子主観にしているのも、風子と朋也との距離、お互いがお互いをどう思っているのかが不明瞭だから(そして、作中キャラ自身もその点を無自覚でいるから)の処置、かも。風子のシナリオ的に、朋也でも渚でもない、第三者の視点(というか接点)を設けるのも勿論重要で……あーなるほど、(ネタバレ反転)視聴者は風子に協力する朋也的視座も持ちながら、結婚式の場に気が付いたら居る人たち的視座も持てるようにするのかも。その方が風子の想い(というか行動)とかもグッとこっちに伝わる気がすると言っても過言ではないかもしれないし。いや過言ですけど。
すのぴーの反応とかも、それ(第三者的視点)と呼応するものでもあるかなぁ。
05:55~ 結婚式に来てくださいのトコ。風子の表情が真剣&切実すぎる。

06:42 「お姉ちゃんの結婚式を祝ってほしくて、みんなにプレゼントを配っているんです」。もの凄く、悲しげというか寂しげな表情。本当は自分が(も)祝いたいけど、それが出来ないから、せめてもの想いでこうしているのかも。あのプレゼントの彫刻は、そういう想いが込められたものなのかも。だからあんだけ一心不乱なのかも。

07:46 「でも、風子は頑張ります!お姉ちゃんの結婚、みんなにお祝いしてもらいたいですから」
少しの逆境や困難に諦めることの無い、風子の一途さ。
「意思の強さ」というよりは「一途さ」ですね……。そこに孕む失敗や壁を考慮した上で、直面した上で乗り越えるというよりは、それに対し鈍感ともいえるほどの一途さで押し通っていく。だから手助けしたくなっちゃうんですよ。壁があって先に進めなくても、その壁自体が見えないので、延々と前に進めないのに歩くを繰り返しちゃいそうですから、この子は。背中を押してあげれば歩き出せる渚と、前が壁だから背中を押すだけではどうしようもないっぽい風子。……や、でも、ふぅちゃんの一途さは、その壁すらも突き破るものだったりしなかったりもなかったりしてるかもだったかも。
自身の想いと、それに対する他者をどう加味するか。渚とは発する言葉・行動の純粋さは同じでも、この辺は真逆ですね、多分。相手の受け止めにある種の諦観を持っている(かも)渚と、相手の受け止めに無頓着に近いほど、自分の中でそれの優先順位が低い風子。
自分の好きなものをあげれば相手も喜ぶだろうという、ある意味自分本位な考え方。でもそこに嘘も打算も策略もない。不器用なまでの顧みなさが、こうしている。そりゃ手助けしたくなっちゃう。
あ、ボクが風子に対する言及が多いのは仕様です。これからも多いです、たぶん。風子シナリオが最初っぽいということには、百抹の悲しみを覚えたり。

07:48 アニメオリジナルの、謎の噴水。小便小僧から湧き落ちる一本の水と、岩から湧き出る何本かの水。小便小僧はその性別どおり、男性である朋也を表しており、岩は、各ヒロインを表している。朋也が接する各ヒロイン、そこから湧き出るものと、朋也自身が湧きいずるもの。それらが一つの場所にプールされ、大きなもの――噴水――を作り出しているように、彼ら、彼女らの想いは、また歩む道は、この物語を、この街を、そしてひいては「CLANNAD」というひとつの作品を作り出す。そういったものを暗喩しているオブジェクトでありました、と俺の中のキバヤシが申しております。嬉しいこと悲しいこと全部丸めて、っぽくもある(全てひとつの所にプールされて、全てでひとつになるんだ、といった感じ)。
でもまあ、ちょっとは風子シナリオの暗喩っぽくはあるかな、と思わなくもないです。
07:53 春原VS智代、連れション編。「思わず本気で蹴ってしまった」と、智代心配する……というか、慣れてきて(日常的になって)しまったから、気が抜けて的な感じで、本気のケリが炸裂してしまったのかなぁ。
なんだかんだいって付き合う智代はイイ奴。というより、自分を追って学校に来た不良を自らのすように、自分に用がある相手にはきちっと相手をするという点から、イイ奴というより律儀。

08:50 「この学校では普通の女の子として振舞えていると思っていたんだ」「これでも自分を変えようと努力しているつもりなんだが」
もの凄く悲しげ・寂しげな表情。智代って結構表情に心情出ますね。自分への無力感? (智代シナリオ何も覚えてない)
09:10 智代に蹴っ飛ばされ樹に引っかかったままの春原、「くそぅ、このままじゃ終わらせねえぞ……」。演技的というか茶番的(つうか新喜劇的)。
09:20 長森牛乳登場。パッケージに描かれた「M」の字は、もちろん長森の下の名前からの引用。
09:35 Aパートラストの春原登場シーン。アバンラストと相似。面白そうからお得なことへと(春原の中で)変化、それに混ぜてよと行動。
<Bパート>
09:50 「パン、ですか…?」。春原の思惑を計れない渚。駆け引きする奴らからは遠い場所にいますから、分かるわけもない。
10:04 春原の生徒会ボコる案を聞いて、髪の毛が逆立つほど驚く渚。相手の言葉を素のままで受け止めるという、彼女っぽい反応。
この辺、渚の身振り手振りがやけにオーバーなのは、初対面の人相手で結構はりきっているからなのかも。

10:32 なんというリトバスw だんごvsボンバヘッの頂上決戦。
春原のヘタレ度が高いのは当たり前ですが、渚のヘタレ度も結構高いのは見逃せない。てゆうかパラメーター、よく出来てるなぁ。
渚 春原
体力 45 80
反射神経 15 65
集中力 60 30
判断力 65 30
運 70 15
努力 90 40
ヘタレ度 42 92
(テーブル使ったらデザインが物故割れたので、見辛いけど手製でカンベン)
体力、反射神経は見た目から分かるくらいの妥当さ。渚の集中力も、実は案外高い(原作の渚シナリオラストの方の、台本読んでて何も聞こえないところとか)。発揮される場所・タイミングが限定的っぽいのがこの数値の所以か。意外に高いのが渚の判断力。確かに、大事な所で見誤る、なんてことは殆どありえませんからね。特に先に進めば進むほど、なくなる。つうかアフターは神判断連発。だったような気がする(覚えてない人)。
渚の強靭な運は……人と人との出会いは運だし的な……つうか体弱いといっても、(子供の頃の)死にかけてるところで死なずに済んだりなんかは、運の要素もあるにはありますね(あの場所に行けた運とか)。そして悲しいのは春原の運の無さ!こいつ、何気に努力40のように、結構努力はしている(していた)のですよ。それがもう、運が無いゆえに……と解釈すると、春原がマジで悲惨に思えてきて楽しい(楽しいのかよ)。や、まあ、確かに、この子は運さえあれば、もうちょっと何かが何とかなったのかもしれないですね。この子にも渚的な誰かがいればねぇ…みたいな。
渚の努力は言うまでも無し。
そしてヘタレ度!……これもやっぱ言うまでもないか。渚のヘタレ度は、あくまで現時点での数値、って感じなのかな。
何気に選択肢を選ぶカーソルがゲームのクラナド仕様(桜)だ。
関係はないけどこの辺、窓からの光&机を囲んでの会話で、らき☆すた1話を思い出した。
11:14 あれとそれとの微妙な距離。
告白パート、原作でもめちゃ笑ったけどアニメでも笑った。まさかやるとは思わなかったヨ。11:54 渚が一歩前に出ると一歩後ずさりする涼!細かい。それでも、渚がいつの間にか涼に近づいているのは、想いの強さで他者との壁を突破する的なものが隠されているのでしょうか。13:00 なんか、興奮するね?むしろこのままの路線で突っ走っても良いと言っても過言ではないかもしれません、いえずばり過言ではないでしょう!
この告白シーンのとこは、雲が一切動いていないのですが、これはこのシーンが本筋とは何ら関係ない――これで人の心は動かない――みたいなのを示しているのかな、と思えたり。舞台的・演劇的というか、デキレースみたいな脚本的な匂いがするから(丸く収まる、嘘だということが分かっているから)こそ、ここは何にもない場面ですよ、ということを表すための雲の動きの無さなのかも。

14:20 杏の、こいつら(岡崎&春原)と切って私たちと仲良くしない?、に、今まで手伝ってくれた方を置いていけない、岡崎さんも春原さんもいい方だから…と断りを入れる渚。
「岡崎」の名前が出た瞬間に涼をチラッと見やる杏。そして朋也に「(渚を)狙ってるの?」と探りを入れる。細かいなぁ。しっかりと春原もそこの場面をチェックしているし。
なんだかんだいって、杏シナリオも原作準拠?で行きそうな予感。燃え盛る校舎をバックに杏と涼を救い出すクラナドマン、そしてハッピーエンド、みたいな展開でも別にいいんじゃないかと個人的には思いますけどね(よくない)。
ハモる「いやいや」も含めて、まあ演劇っぽいというか作りモノっぽい臭は、ある。
15:05 ときめき学園登場。多分出番はこんだけ。
15:28 春原の「(渚と)仲良くなれば学校も楽しくなりそうだしね」に、いぶかしげな顔をする朋也。独占欲?・・・・・・いやまあそれ以前に、春原という時点でいぶかしむには十分ではありますが。
15:35 「お前毎日パラダイスな」
15:40 智代vs春原、今話3回目、告白作戦編。ホントパラダイスな、こいつw
16:10くらいから 場所を変えながらも会話が続行している春原・朋也。(場所を変えても継続が普遍さを表すかのように)いつも一緒にいる、の表れでも。意味なく逆立ちするほど暇な時間を過ごす、かつそれでも一緒にいるということでも。
17:20 「やっぱり私をからかったんだな…」と軽く落胆するように、しっかり受け止める智代さん。この子も、受け止めが真っ直ぐというか、巧妙に駆け引きからは遠い存在であるのかも。

17:58 廊下を隔てた距離。二人の距離の表れ? あまり近づいている場面を見ない。特に朋也から近づく、という場面を見ない。外も中も。
19:20 ことみ登場。しっかりと、朋也の分(と思われる)の箸が用意されています。
19:52 中庭のあの場所。朋也と渚にとっては、定番になってますね。

20:20 「はじめまして」。初対面の相手に対して、緊張気味な風子。上級生であるから、ではなく、向こうから来ているから、が緊張の原因かと思われ。風子は相手から、意思なり思いなり感情なり思惑なりを、受け取るのが苦手そうですから。多分。
20:25 飛び散る木片と、いくつも作られている彫刻、そして部活動が行われている遅い時間というのが、風子が延々とここでこれを作り続けていた、というのを思わせる。

21:00 「ずっとここにいて、あれを作り続けていること」を告白する風子。めちゃくちゃ深刻な……悲壮そうな表情。これしか寄る辺が無い……ここで、これを作り、お姉ちゃんの結婚式に一人でも多くきてもらう、その為だけに自分が存在している。その為にこの風子は生まれてきた。そのような切迫感を見せる表情です。
「仲間を探そう」というのは、演劇部に入る仲間を探そうでありながら、かつ、風子のお姉ちゃんを一緒にお祝いしてくれる人を(風子が)探そう、でもありました。
朋也・春原・渚・風子・智代……その辺のキャラの、感情の発信と受信、巧妙な駆け引きからは遠い場所に居る存在、そういった意味での仲間――言葉はあれだけど、外れもの、外れているからこそ共通してまだ持っている一途さ、純粋さ――それの再確認でもあったのかも。
21:41 「岡崎さん、お姉ちゃんを知っている人がいました」。
「お姉ちゃんを知ってるんですか」と渚に問うのではなく、あえて朋也を経由させている。人見知りなんですけど……自分を十全に表に出す子だから、他人から言葉でも何でも受け取るというのが苦手なのかな、とちょっと思ったり。違うっぽいけど。 何にしろ、朋也は懐かれてるというのは確か。
・演劇的、演技的、茶番的、脚本的。
そして春原の自由闊達さとバカさと子供っぽさ、つまり毎日がパラダイス。
こういう、メープルな甘さ……これらを許容してしまうものが存在していると前回から思ってきたのですけど、これは今だからこうであって、アフター編に入りこの甘さが無くなると(せいぜいが身内といる時だけになると)すると、その落差――『変化』が、非常に面白い感じに軸を作れるんじゃないかなと思って。
クラナドのアフター編以前は、変化を見せるための存在、というのが一番大きいんじゃないかしら、と思う次第なんです。
WEB拍手を送る
※以下には、京都アニメーションの「CLANNAD」4話までの内容が含まれています。
アニメのネタバレになりますので、閲覧の際にはご注意下さい。
【More】
00:02 斜め下からのアングル。今回、こういうのが結構多い。
00:09 廊下にぽつん、の渚。
00:40 手の動きで、朋也の焦燥~決断を表す。机を叩く指に現状認識とこれからどうするかの思索、机を叩く手にその決断の表れ。「あーもう、俺がなんとかしなきゃ!」的な感じです。朋也の演劇部に対する関与は、こういう面が大きいように思える。「こんなことで、お前の夢を捨てるな」。渚に欠けてる力というか……(坂の途中で止まる足もそうだけど)逆境に簡単に"立ち止まってしまう"渚を、朋也が行くぞと引っ張っていってくれる。
朋也が渚の演劇部に力を貸すのには、先の台詞からも、自身のバスケへの想い、諦めなきゃいけなかった・夢を捨てざるをえなかったこと(朋也に夢があったのかはさておき、状況的には)が関係している、のかも。思いを託すというか、自身を投射というか。ただ、これまでの描写的には、そこまではいえない感じですが。むしろそれは二義的・三義的なことで、もっと他に何かがあるというか……。
00:54 壁の横からほくそ笑む春原。ふ~ん、なにやら面白そうなことやってるじゃん、的な興味。Aパートラストと同じ。

OP : 上に上がっていくカメラの動き(ティルト)は、特に『空』を示す場合、その印象――ここからの脱却、閉塞や状況の打破、自身もしくはここからの成長・旅立ち、『空』という届かないものへの憧憬、また届かない故の儚さ――などを示しているというか想起させられるのですが。
幻想世界、雪の中で朽ちるかのように横たわる人形「ぼく」。そこからカメラは空――当然、雪が降っているのだからどんよりとした黒雲で遮られているであろう――にティルトする。それは天や太陽に届くことなく、中途半端な場所で一端途切れ、その後の密林で謎の生物を発見!的な描写の後で、丁度途切れたあたりの高度から、今度は青空となってティルト再開。
しかもその部分、おあつらえ向きなことに曲の歌詞が「このまま飛び立てばどこにだって行ける」。
雪の中、動かぬ体から見上げた空は、森の中の少女を経て、もしくはその幻視を経て、現実世界の青空の下、花畑を走り回るひとりの少女の元に。
「CLANNAD」のタイトル表記が、ゲームOPにおいては青空ティルト(三行ほど前に書いた部分)―――直前の走り回るふたつの光と「このまま飛び立てば…」の歌詞を照らし合わせて、その「飛び立つ」ということ(それが出来るということ)を印象付ける、また飛び立つ先にあるものを象徴する地点―――にあったのに、アニメOPにおいては花畑で走り回る子の影を写した大地にて、タイトル表記がなされる。アニメ版ではこの場所(というか状況)は、飛び立った先の場所であり、かつ飛び立ったから来れた場所である、という理解がなされているのではと推測される。
てゆうかあの森の少女は何なんでしょう。どういった理解が良いの(正しいの)でしょう?原作やったのにさっぱり分からない僕はプチ最悪です。
03:16 「でなきゃ、俺が演劇部なんかに関わるわけないだろ」。 朋也の演劇部・渚との関係に対する表明上の対外距離。
03:50 春原、智代に「おっぱい貸して」。

04:05 こう、蹴りの絵が適当になっているのは、パターンだからというのもそもそもなんですが……。演劇的というか脚本的というか、単純に「お約束」をそのまま表に出してしまったような…。
04:15 風子「あ、変な人いました」。「変な人だ」でも「変な人です」でもなく、「変な人いました」という言葉からは、今まで朋也を探していた、ということが推測されますね。
その後の「変な人待ってください」も、春原の存在に全然気が付かないことも含めて。こう思ってることとか、自分の中にだけある呼び名なんかを、簡単に(一縷の思慮も無しに)外に出せてしまうのが、風子の性格なんでしょうね。結婚式祝って欲しいとか、その方法とか、今やってること(彫刻)とか、含めて。自分の思っていることに、一縷の思慮も無く――それこそ正しいか、効率的かなども考慮せず――それを外に出せる、そしてそれを貫ける……というか、気が付かないくらいに、貫けてしまう。そんな無鉄砲さというか、純粋さというか……まざりっけの無さというか、すれてなさが、風子の魅力ではあるかなと思います。そしてそれ故に、見てらんなかったり手助けしたりしたくなり過ぎて、風子と近しい関係の人はメッチャ疲れるのですが。
04:43 風子主観。たしかにお子ちゃまです。
05:15 ダブルで着いて来る変な人。

05:17 信じられないことに(?)春原主観。
すのぴーの反応とかも、それ(第三者的視点)と呼応するものでもあるかなぁ。
05:55~ 結婚式に来てくださいのトコ。風子の表情が真剣&切実すぎる。

06:42 「お姉ちゃんの結婚式を祝ってほしくて、みんなにプレゼントを配っているんです」。もの凄く、悲しげというか寂しげな表情。本当は自分が(も)祝いたいけど、それが出来ないから、せめてもの想いでこうしているのかも。あのプレゼントの彫刻は、そういう想いが込められたものなのかも。だからあんだけ一心不乱なのかも。

07:46 「でも、風子は頑張ります!お姉ちゃんの結婚、みんなにお祝いしてもらいたいですから」
少しの逆境や困難に諦めることの無い、風子の一途さ。
「意思の強さ」というよりは「一途さ」ですね……。そこに孕む失敗や壁を考慮した上で、直面した上で乗り越えるというよりは、それに対し鈍感ともいえるほどの一途さで押し通っていく。だから手助けしたくなっちゃうんですよ。壁があって先に進めなくても、その壁自体が見えないので、延々と前に進めないのに歩くを繰り返しちゃいそうですから、この子は。背中を押してあげれば歩き出せる渚と、前が壁だから背中を押すだけではどうしようもないっぽい風子。……や、でも、ふぅちゃんの一途さは、その壁すらも突き破るものだったりしなかったりもなかったりしてるかもだったかも。
自身の想いと、それに対する他者をどう加味するか。渚とは発する言葉・行動の純粋さは同じでも、この辺は真逆ですね、多分。相手の受け止めにある種の諦観を持っている(かも)渚と、相手の受け止めに無頓着に近いほど、自分の中でそれの優先順位が低い風子。
自分の好きなものをあげれば相手も喜ぶだろうという、ある意味自分本位な考え方。でもそこに嘘も打算も策略もない。不器用なまでの顧みなさが、こうしている。そりゃ手助けしたくなっちゃう。
あ、ボクが風子に対する言及が多いのは仕様です。これからも多いです、たぶん。風子シナリオが最初っぽいということには、百抹の悲しみを覚えたり。

07:48 アニメオリジナルの、謎の噴水。小便小僧から湧き落ちる一本の水と、岩から湧き出る何本かの水。小便小僧はその性別どおり、男性である朋也を表しており、岩は、各ヒロインを表している。朋也が接する各ヒロイン、そこから湧き出るものと、朋也自身が湧きいずるもの。それらが一つの場所にプールされ、大きなもの――噴水――を作り出しているように、彼ら、彼女らの想いは、また歩む道は、この物語を、この街を、そしてひいては「CLANNAD」というひとつの作品を作り出す。そういったものを暗喩しているオブジェクトでありました、と俺の中のキバヤシが申しております。嬉しいこと悲しいこと全部丸めて、っぽくもある(全てひとつの所にプールされて、全てでひとつになるんだ、といった感じ)。
でもまあ、ちょっとは風子シナリオの暗喩っぽくはあるかな、と思わなくもないです。
07:53 春原VS智代、連れション編。「思わず本気で蹴ってしまった」と、智代心配する……というか、慣れてきて(日常的になって)しまったから、気が抜けて的な感じで、本気のケリが炸裂してしまったのかなぁ。
なんだかんだいって付き合う智代はイイ奴。というより、自分を追って学校に来た不良を自らのすように、自分に用がある相手にはきちっと相手をするという点から、イイ奴というより律儀。

08:50 「この学校では普通の女の子として振舞えていると思っていたんだ」「これでも自分を変えようと努力しているつもりなんだが」
もの凄く悲しげ・寂しげな表情。智代って結構表情に心情出ますね。自分への無力感? (智代シナリオ何も覚えてない)
09:10 智代に蹴っ飛ばされ樹に引っかかったままの春原、「くそぅ、このままじゃ終わらせねえぞ……」。演技的というか茶番的(つうか新喜劇的)。
09:20 長森牛乳登場。パッケージに描かれた「M」の字は、もちろん長森の下の名前からの引用。
09:35 Aパートラストの春原登場シーン。アバンラストと相似。面白そうからお得なことへと(春原の中で)変化、それに混ぜてよと行動。
<Bパート>
09:50 「パン、ですか…?」。春原の思惑を計れない渚。駆け引きする奴らからは遠い場所にいますから、分かるわけもない。
10:04 春原の生徒会ボコる案を聞いて、髪の毛が逆立つほど驚く渚。相手の言葉を素のままで受け止めるという、彼女っぽい反応。
この辺、渚の身振り手振りがやけにオーバーなのは、初対面の人相手で結構はりきっているからなのかも。

10:32 なんというリトバスw だんごvsボンバヘッの頂上決戦。
春原のヘタレ度が高いのは当たり前ですが、渚のヘタレ度も結構高いのは見逃せない。てゆうかパラメーター、よく出来てるなぁ。
渚 春原
体力 45 80
反射神経 15 65
集中力 60 30
判断力 65 30
運 70 15
努力 90 40
ヘタレ度 42 92
(テーブル使ったらデザインが物故割れたので、見辛いけど手製でカンベン)
体力、反射神経は見た目から分かるくらいの妥当さ。渚の集中力も、実は案外高い(原作の渚シナリオラストの方の、台本読んでて何も聞こえないところとか)。発揮される場所・タイミングが限定的っぽいのがこの数値の所以か。意外に高いのが渚の判断力。確かに、大事な所で見誤る、なんてことは殆どありえませんからね。特に先に進めば進むほど、なくなる。つうかアフターは神判断連発。だったような気がする(覚えてない人)。
渚の強靭な運は……人と人との出会いは運だし的な……つうか体弱いといっても、(子供の頃の)死にかけてるところで死なずに済んだりなんかは、運の要素もあるにはありますね(あの場所に行けた運とか)。そして悲しいのは春原の運の無さ!こいつ、何気に努力40のように、結構努力はしている(していた)のですよ。それがもう、運が無いゆえに……と解釈すると、春原がマジで悲惨に思えてきて楽しい(楽しいのかよ)。や、まあ、確かに、この子は運さえあれば、もうちょっと何かが何とかなったのかもしれないですね。この子にも渚的な誰かがいればねぇ…みたいな。
渚の努力は言うまでも無し。
そしてヘタレ度!……これもやっぱ言うまでもないか。渚のヘタレ度は、あくまで現時点での数値、って感じなのかな。
何気に選択肢を選ぶカーソルがゲームのクラナド仕様(桜)だ。
関係はないけどこの辺、窓からの光&机を囲んでの会話で、らき☆すた1話を思い出した。
11:14 あれとそれとの微妙な距離。
告白パート、原作でもめちゃ笑ったけどアニメでも笑った。まさかやるとは思わなかったヨ。11:54 渚が一歩前に出ると一歩後ずさりする涼!細かい。それでも、渚がいつの間にか涼に近づいているのは、想いの強さで他者との壁を突破する的なものが隠されているのでしょうか。13:00 なんか、興奮するね?むしろこのままの路線で突っ走っても良いと言っても過言ではないかもしれません、いえずばり過言ではないでしょう!
この告白シーンのとこは、雲が一切動いていないのですが、これはこのシーンが本筋とは何ら関係ない――これで人の心は動かない――みたいなのを示しているのかな、と思えたり。舞台的・演劇的というか、デキレースみたいな脚本的な匂いがするから(丸く収まる、嘘だということが分かっているから)こそ、ここは何にもない場面ですよ、ということを表すための雲の動きの無さなのかも。

14:20 杏の、こいつら(岡崎&春原)と切って私たちと仲良くしない?、に、今まで手伝ってくれた方を置いていけない、岡崎さんも春原さんもいい方だから…と断りを入れる渚。
「岡崎」の名前が出た瞬間に涼をチラッと見やる杏。そして朋也に「(渚を)狙ってるの?」と探りを入れる。細かいなぁ。しっかりと春原もそこの場面をチェックしているし。
なんだかんだいって、杏シナリオも原作準拠?で行きそうな予感。燃え盛る校舎をバックに杏と涼を救い出すクラナドマン、そしてハッピーエンド、みたいな展開でも別にいいんじゃないかと個人的には思いますけどね(よくない)。
ハモる「いやいや」も含めて、まあ演劇っぽいというか作りモノっぽい臭は、ある。
15:05 ときめき学園登場。多分出番はこんだけ。
15:28 春原の「(渚と)仲良くなれば学校も楽しくなりそうだしね」に、いぶかしげな顔をする朋也。独占欲?・・・・・・いやまあそれ以前に、春原という時点でいぶかしむには十分ではありますが。
15:35 「お前毎日パラダイスな」
15:40 智代vs春原、今話3回目、告白作戦編。ホントパラダイスな、こいつw
16:10くらいから 場所を変えながらも会話が続行している春原・朋也。(場所を変えても継続が普遍さを表すかのように)いつも一緒にいる、の表れでも。意味なく逆立ちするほど暇な時間を過ごす、かつそれでも一緒にいるということでも。
17:20 「やっぱり私をからかったんだな…」と軽く落胆するように、しっかり受け止める智代さん。この子も、受け止めが真っ直ぐというか、巧妙に駆け引きからは遠い存在であるのかも。

17:58 廊下を隔てた距離。二人の距離の表れ? あまり近づいている場面を見ない。特に朋也から近づく、という場面を見ない。外も中も。
19:20 ことみ登場。しっかりと、朋也の分(と思われる)の箸が用意されています。
19:52 中庭のあの場所。朋也と渚にとっては、定番になってますね。

20:20 「はじめまして」。初対面の相手に対して、緊張気味な風子。上級生であるから、ではなく、向こうから来ているから、が緊張の原因かと思われ。風子は相手から、意思なり思いなり感情なり思惑なりを、受け取るのが苦手そうですから。多分。
20:25 飛び散る木片と、いくつも作られている彫刻、そして部活動が行われている遅い時間というのが、風子が延々とここでこれを作り続けていた、というのを思わせる。

21:00 「ずっとここにいて、あれを作り続けていること」を告白する風子。めちゃくちゃ深刻な……悲壮そうな表情。これしか寄る辺が無い……ここで、これを作り、お姉ちゃんの結婚式に一人でも多くきてもらう、その為だけに自分が存在している。その為にこの風子は生まれてきた。そのような切迫感を見せる表情です。
「仲間を探そう」というのは、演劇部に入る仲間を探そうでありながら、かつ、風子のお姉ちゃんを一緒にお祝いしてくれる人を(風子が)探そう、でもありました。
朋也・春原・渚・風子・智代……その辺のキャラの、感情の発信と受信、巧妙な駆け引きからは遠い場所に居る存在、そういった意味での仲間――言葉はあれだけど、外れもの、外れているからこそ共通してまだ持っている一途さ、純粋さ――それの再確認でもあったのかも。
21:41 「岡崎さん、お姉ちゃんを知っている人がいました」。
「お姉ちゃんを知ってるんですか」と渚に問うのではなく、あえて朋也を経由させている。人見知りなんですけど……自分を十全に表に出す子だから、他人から言葉でも何でも受け取るというのが苦手なのかな、とちょっと思ったり。違うっぽいけど。 何にしろ、朋也は懐かれてるというのは確か。
・演劇的、演技的、茶番的、脚本的。
そして春原の自由闊達さとバカさと子供っぽさ、つまり毎日がパラダイス。
こういう、メープルな甘さ……これらを許容してしまうものが存在していると前回から思ってきたのですけど、これは今だからこうであって、アフター編に入りこの甘さが無くなると(せいぜいが身内といる時だけになると)すると、その落差――『変化』が、非常に面白い感じに軸を作れるんじゃないかなと思って。
クラナドのアフター編以前は、変化を見せるための存在、というのが一番大きいんじゃないかしら、と思う次第なんです。
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(アニメ感想) CLANNAD -クラナド- 第4話 「仲間をさがそう」
CLANNAD 1 (初回限定版)演劇部の復活を目指す朋也と渚だが、突然生徒会より部員の募集の中止を警告されてしまう。策もなく、ふさぎこんでしまう二人だが、陽平はいい考えがあると二人に話す。それは・・・。
2007/10/30(火) 22:23:27 | ゲームやアニメについてぼそぼそと語る人
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