Li_to_Mate

例によって、リトバスEXをオールクリア言ってること変わるかも、ですけど。

以下、「リトルバスターズ！エクスタシー」二木佳奈多シナリオのネタバレと、「リトルバスターズ！」最終シナリオのネタバレを含みます。

【More】

思い込みは、なにもかも変えてしまうの

佳奈多の言葉。
この言葉が――この概念が、このお話の軸のひとつ――お話が作り出す意味の、中心的なもの――となっているように感じました。

あの子が自分だけが不幸だと思い込んでいたとしても、間違いだと指摘したくなかった。
そうやって思い込むことで生きていこうと思ってくれるなら。

「思い込み」というのも、当人にとっては一つの真実。
当たり前ですけど、私たちは自分の認識以外は認識出来ないのですから、「思い込み」という自分の認識を真実として完結させてしまうのは、どうしたって正しい。


果たして、佳奈多は何者なのか。
あのバスに乗ってたんでしょうか？　や、最後までやれば分かることかもしれないんで、最後までやったら、きっと言ってること変わると思いますが（笑）、とりあえず。
あのバスに乗ってたからって、全員がこの世界に集うわけではない。リトルバスターズの面々以外は、この世界を作っていない。全員モブ的な、NPC的な存在になってる。

でも、私はやっぱり、あの子たちを選んで欲しかったな。
そうしてらもっと割り切れたのに。
いちゃいけないって、もっと割り切れたのに。
・・・誰が私を望んだのだろう。
（・・・私自身、かもしれない）

しかし「世界を作ってない」者が入れないわけではない……沙耶のように。
誰かが望んだとすれば……葉留佳？　葉留佳が望んだのだと「思い込めば」、しっくりくる。
いや、多分この考えは間違ってると思うんだけど……ｗ　とりあえず。

「居場所をみつけて・・・だからただ続けばいいと思ってた」
「ただ、それだけだった」
「でも、私が本当に願っていたのは」
「おねえちゃんと仲直りできる私になりたかったんだ」

葉留佳が、葉留佳シナリオで手に入れたのは、それ。『おねえちゃんと仲直りできる、自分』。
彼女のシナリオの中で、彼女は――グローブの匂い、グラウンドの土埃、夕暮れの光、好きな人の温もり、友達の優しさ、そのなにもかもで――この『おねえちゃんと仲直りできる、自分』を、『強さを持つ、自分』を手に入れた。

私を好きと言ってくれる人がいた。
その可能性があった。
そんな欠片の記憶があれば、私は誰だって許せそうな気がする。
なんだって受け止めて生きていける気がする。
だから、許そう。
私を、私以外の誰かを、誰か以外の何もかもを。
これは私の得た『強さ』と言ってもいいんじゃないだろうか。

これもまた、「思い込み」なんです。思い込みというのは、つまるところ、「認識」とニアイコールです。私はそう思った。私にはそう見える。そういった「認識」。それを突き詰めて確固にしてしまえば、「思い込み」になる。


エルヴィンと箱の子猫と毒の空気。つまり「シュレディンガーの猫」。
認識は、思い込みは、どこまで往っても、認識・思い込みでしかない。
それが世界の真実でも、それしか解答でも、それしか方法がないわけでもない。
認識を突き詰めて確固にした「思い込み」。
それは葉留佳だけでなく、佳奈多もそう。
自分の家のこと、生まれのこと、これから先のこと、妹のこと。
その全てに。自分で思い込んで自分で作り出した鎖で自分で制約をかけていた。
それを壊すのが、他人。別の認識と別の思い込みを持った他人――理樹や、葉留佳や、リトバスの面々――が、自分の認識と自分の思い込みを壊してくれる。

「思い込み」、それは、自分一人では変えられない。変えるのが難しい。固有に付き纏う「認識」を出自としているからです。
だから――他人の力が、友達の力が、必要となる。


思い込みは、なにもかも変えてしまう。

それは悪い方にも働く。でも、良い方にも働きます。


そもそも。

佳奈多シナリオの分岐からして、思い込み。
それがなければ、この思い込みがなければ、はじまりさえしなかった。

・敵意を感じた
・好意を感じた

テーマ : リトルバスターズ - ジャンル : ゲーム